夕飯でも、ご馳走してくれるかと言うので、意味が分からなかった。
何故に私が、お金持ちのタマンデサの友人と、財閥と思われるその新人さんご夫妻に、ご馳走しなければならないのか。
何分間かの、不毛のやり取りがあって、やっと謎が解けた。
要は、私のコンドに遊びに来たいということだった。
ぼろいコンドの代表として、いつも彼は私のコンドを案内する。
確かに私のコンドをみたら、どこでも良く見えるかもしれない。
それで、ついでに、日本人じじいが、毎日どんなものを食べてるのかを、見せたいと言う事だった。
自分の食事を見せればいいのに、何故に私の夕飯なのか、の疑問は残るが。
まあ、仕方がない、了解した。
そんでもってご馳走したのが、これだ。
キムチ鍋だ。
タマンデサの友人は慣れてるけど、新人さんは驚いていた。
「この暑いマレーシアで、鍋ですか。」と、バカにした口ぶりで言われたので。
カチンときて、「ええ、ほとんど毎日鍋ですね。」と、ウソをついておいた。
私の自慢の料理だ。
見た目は、いまいちかもしれないけど。
材料は半端なくいい、厳選の味だ。
そうは言っても、キムチ鍋だ。
普通は、汗が出る事この上ない。
「クーラーは、ないんですか」と、バカにした口ぶりで聞かれたので。
カチンときて、「今朝から、動かないんです。」と答えておいた。
実際に、動かないのは間違いない。
リモコンの電池が、なくなっているのだ。
やけに上から目線の人だなあ、と思っていたら。
やっぱり、元役人だった。
タマンデサの友人も、嫌気がさして。
私を巻き込もうとしたようだ。
勘弁してよ⇒
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